日本の『著作権』に対する取り締まりはもはや化石!クリエイティブ・コモンズの生みの親が語る「法が創造性を圧迫する」という今のデジタルカルチャーにおける法律の問題

今回は少し、挑発的なタイトルですが、これは一個人としての考えとして読み流していただければと思います。

無断転載などを擁護するような内容ではありません。

ブログやyoutubeで稼ごうとしていると、必ずと言っていいほど、『著作権』の問題に悩まされるときがくると思います。

ブログに使われる画像なんたらかんたら、動画の一部にテレビの映像が、音楽が・・・など。

最近では、JASR◯Cさんの『音楽』使用に関する著作権の話題が後を絶ちません。

ビジネス的な観点から見ると『権利団体』という立場は本当に美味しい商売だなと思います。

ネットビジネスのような一般人には怪しく感じるビジネスも、こういった公のビジネスモデルなら、許される部分があります。

JASRACは別に音楽を作るレーベルはありません。

それなのに、JASRACにはお金が入ります。

なぜでしょう?

間と間を繋ぐビジネスだからです。

部屋を借りるのであれば、大家と、入居者を繋ぐ不動産のような、某フリマアプリのように売りたい側と買いたい側を繋ぐような、実は間に挟まるビジネスってかなり美味しいです。

少し脱線してしまいましたが、日本の法律は、今のインターネット時代にはかなり不相応だと僕は感じます。

確かに、NAVERまとめのようなキュレーションメディアで、引用だけで成り立つのもどうかと思いますが・・・

文章というよりは、画像や、映像などに関して、日本はギッチギチなように感じます。

クリエイティブ・コモンズの生みの親『ローレンス・レッシグ』が語る今の時代の著作権について

ブログやyoutubeでコンテンツを作る時、著作権の問題に触れ、色々と調べていくと、『クリエイティブ・コモンズ』というキーワードに行き着いた経験はないでしょうか?

クリエイティブ・コモンズは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)を提供している国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称です。
CCライセンスとはインターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。
CCライセンスを利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができます。

引用:クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは

このクリエイティブ・コモンズも、最初から存在したものではありませんでした。

正式に設立されたのが、2001年です。

インターネットが一般に普及し始めたのが1993年頃だったので、今までは”物”に対してのみの法律だった著作権が、インターネットにおける”デジタルコンテンツ”にどのような対策を取るべきかをだいぶ悩まされた8年だったのではないでしょうか?

そして、そのクリエイティブ・コモンズの生みの親でもある【ローレンス・レッシグ】さんが、TEDで、今までの法律の変化と、今の法律がインターネット時代とどのように向き合うべきか、そして今後はどのようにしていくべきかを語ってくれています。

法律が時代によって変わる意義

トークの中でまず始めにローレンスさんは、土地所有における法律『不法侵入法』を例に、法律がどのように変わったかを解説しています。

不法侵入法で適用される範囲というのは、地中深くから、空のてっぺんまでを指し示すものでありましたが、飛行機が空を飛ぶようになってから、「自由に空を飛ぶ飛行機にその法律は果たして適切なのか」という話題が出ます。

あることがきっかけで、最高裁はこの問題に取り組む機会があり、「天に至るまで土地を守るという原則は現代の世界では適用されない」と決定されたそうです。

新しい時代に法律が合わせて変わった瞬間です。

そして、とても興味深かったのが、アメリカの『ASCAP』という、米国作曲家作詞家出版者協会があり、現代の日本で言えば『JASRAC』のような権利団体が、横暴な使用料を徴収しており、人々の反発を買い、ついには負けを認めたという話しです。

この話を聞いて、『JASR◯C』がやってることは、この『ASCAP』と同じなのでは?と思いました。

デジタルカルチャー世代のリテラシー

そして、動画の最後の話しでは、今のデジタルカルチャー世代と、法律を整備する側との考え方の違いを指摘し、どちらか一方ではなく、バランス良く歩み寄ることが大切だと語っています。

既存の映像を編集したりすることで新たな作品へと変える『リミックス』に対して、彼は賛成だと言っています。

日本では、よくニコニコ動画にある”MAD動画”のことです。

こういった話は、YouTubeも推奨する『フェアユース』に関する内容と同じです。

昔テレビで使われてた編集や技法は、今は誰でもパソコンさえあれば演出できるようになり、若い子はそういったデジタル技術に触れることによって、言葉を話すように創造していくとローレンスさんは言います。

そして、昔ながらの著作権法を唱える側と、新しいテクノロジーに触れて育った世代との衝突により、今のyoutubeのように、しっかりとフェアユースが守られた作品でさえ消していっていることを指摘しています。

確かに、よく出来たMAD作品も、一部映像を使っているという理由で著作者側にバンバン削除申請されます。

若い世代は、著作権自体をすでに古いものと考えており、廃止すべきと声を上げているそうです。

著作権なんて時として破っても構わないと考えてしまっており、どちらも過激な考えを持っています。

ただ、どちらの過激さも間違っていて、大切なのは”バランス”だということです。

今は、画像も映像も簡単に手に入るインターネット時代に、少しでも著作物を使ったらアウト、という言うのではなく、もっと法律を今の世代に合わせてお互いが納得できるような形を新たに生み出すべき、と、ローレンスさんは最後に語っています。

僕自身も、youtubeで色々と動画を投稿していますが、フェアユースが日本に適用されれば、もっと幅広い動画を作れると思います。

そして、それは他のクリエイターたちも同じということです。

今まで以上に面白い作品ができたり、それによってデジタル技術が向上したり、作品自体を知ってもらう機会を得たりなど、良いことが多くなると僕は思います。

許される創造の例

youtuhe側がフェアユースとして認めているものとして、日本で頑張るyoutube動画投稿者からは信じられないものがいくつかあります。

それがこちらです。

アニメーション映像作品を使った動画

2つの映画のワンシーンをつなぎ合わせた動画

放送されたテレビ映像を使った動画

これらは実は、youtubeが公式で認めている動画の例なんです。

ちゃんと、こちらのyoutube公式ヘルプに載っている動画です。

フェアユース – YouTube

日本の著作権はなぜ”化石”なのか

日本でこのような動画を出したら、すぐにでも削除されます。

ではなぜ、youtubeが公式で認めているものが日本では削除されるのでしょうか?

これが、今回僕がタイトルで『日本の『著作権』に対する取り締まりはもはや化石!』と語っている理由の部分です。

日本は、フェアユースを認めていません。

さらに日本の7つの団体が日本のフェアユース導入反対の意見書を文化庁に提出し、日本でフェアユースが普及することを徹底的に阻止しようとしています。

その7つの団体とは、

  • 日本新聞協会
  • 日本映画製作者連盟
  • 日本音楽事業者協会
  • 日本雑誌協会
  • 日本書籍出版協会
  • 日本民間放送連盟
  • 日本レコード協会

です。これは確かに、youtubeにどんなにフェアユースに則った動画を上げても削除されるわけです。

動画にすることができるコンテンツの大本たちが総出で阻止しにきているわけですから。

youtubeにはyoutube独自の考えがある

動画を削除されると、ついついyoutubeを恨みたくなってしまいますが、youtube自体は実は意外と寛容です。

ただ、法律を無視するわけにはいかないので、その国の法律に従った対応をしてきているだけです。

先程のローレンスさんが語った、デジタルカルチャー世代と、今の古い著作権とがバランスよく寄り添うべきことをyoutube自体が行うとしているいい例があります。

youtubeが整えるクリエイターと著作者とのバランス

youtubeに他人の動画を使わせてもらいリミックした動画をアップロードすると、コンテンツIDというプログラムが動き、その動画に、著作権があるものが含まれていないかを自動で確認します。

そこで、コンテンツIDに引っかかった動画がある場合、その元となった動画の著作者に通知が行き、その動画の対応をどうするかを動画の本来の著作者が決めることができます。

動画を再生できなくしたり、スマホのみ視聴不可にしたり、収益を引き渡す代わりに動画の利用を許可したり、動画の総計情報を監視するなど、色々な対応があります。

『JASR◯C』さんは、許可を取れ許可を取れ、とおっしゃいますが、ローレンスさんが語った、youtubeがやっているこの方法が今の時代に適した、デジタルカルチャー世代と、著作者側と丁度よいバランスのとり方なのではないかと僕は思います。

使用許可が下りるまでの時間がモチベーションを奪う

どんどん新しいものが作られていく時代に、許可を取るというプロセスがどれほど創作意欲を削るかは、実際にやってみるとわかると思います。

そして、個人的に、JASR◯Cさんがコチラ側に寄り添ってないなと感じるのは、『許諾番号』に付く使用許諾ライセンスが、まるでガラケー時代のデザインだということ。

まぁ、これはほとんどいいがかりに近いかもしれませんね。

ただ、綺麗なデザインのブログに、あのデザインが貼られていたら違和感がありまくりです。

JASR◯Cのサイト自体は綺麗な作りですが、お金をせっかく払って使用許諾を得たのに、それを証明するための画像が、あんなものっていうのはいかがなものかと思います。

お金さえ払えばなんでもいい状態だと僕は感じてしまいます。

それと、サイトのトップページにある、『プレスリリース』ですが、「著作権侵害で〜」なんて単語がずらずら並んでいます。

「おまえら、勝手に楽曲使用したらこうなるからな?」っていう脅しにしか見えません。

JASR◯Cさん、『ASCAP』になっていっていませんか?

最後に

本来は、youtubeについてのお話になるはずだったのですが、なぜか話題がぐいぐいと別の方に言ってしまいました(汗)

ちなみに、youtubeはあきらかにフェアユースに該当する動画を、著作者によって著作権侵害訴訟として訴えられた場合、最高で100万ドルの費用を補償するとしています。(米国)

youtubeは本来は、僕達がやっていることに寛容です。

それを良しとしない人たちによって、新時代のクリエイターたちの活動が妨げられているのです。

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